「この仕事、本当に私に向いているんでしょうか」——鑑定の場で、いちばんよくいただくご相談のひとつです。先日も、四十代の女性が、十五年勤めた営業の仕事について、こう話してくださいました。成績は悪くない。上司の評価もいい。それなのに、日曜の夜になると胸が重くなる、と。
宿命を拝見すると、その方は人と競うことよりも、ひとつのものをじっくり磨き上げることで力を発揮する気質をお持ちでした。数字を追いかける毎日は、向いていないのではなく、気質の使いどころがずれていたのです。そうお伝えすると、「ずっと自分が弱いからだと思っていました」と、目を潤ませていらっしゃいました。
今日は、算命学で「適職」をどう読むのか、そして天職探しで迷っている方がどこから考え始めるとよいのかを、鑑定の現場の経験からお話しします。
算命学でいう「適職」とは、何を指しているのか
好きなことと、向いていることは別のもの
適職を考えるとき、多くの方が「好きなこと」を探そうとされます。けれど、好きなことと、向いていることは、必ずしも一致しません。好きで始めた仕事なのに、なぜか消耗する。逆に、とくに好きでもない仕事なのに、不思議と続けられる。そういう経験はありませんか。
算命学が見るのは、気持ちの向きではなく、エネルギーの使い方です。その方が持っている力を、どの方向に、どれくらいの強さで使うと自然に流れるのか。そこが合っていると、頑張っているつもりがなくても成果が出ます。
職種の名前より、「働き方の型」で見る
私が鑑定でお伝えするのは、「あなたは事務職が向いています」といった職種の名前だけではありません。むしろ大切にしているのは、働き方の型のほうです。
人を動かす側が合う方もいれば、ひとりで集中できる環境が合う方もいます。決まった型の中で精度を上げていく方もいれば、毎回違う課題に取り組むほうが力の出る方もいます。同じ「デザイナー」という職業でも、型が合わなければ苦しくなりますし、型が合っていれば、思いがけない職種でも花開くのです。
宿命から見える、三つの視点
一つめ:力を発揮するときの「向き」
ひとつめは、エネルギーが自然に向かう方向です。外へ外へと働きかけるのが得意な方と、内に向かって深めていくのが得意な方がいます。前者は人前に立つ仕事や、新しいものを広げる仕事で生き生きとされますし、後者は専門性を磨く仕事で本領を発揮されます。
冒頭の女性は後者でした。営業という外向きの仕事を、内向きの気質で十五年こなしてこられたのですから、疲れて当然です。成績が出ていたのは、それだけ努力されてきた証拠でもあります。
二つめ:成果の「出し方」
ふたつめは、成果をどう出すかという点です。コツコツ積み上げて信頼を得る方もいれば、勝負どころで一気に集中して結果を出す方もいます。評価のされ方も、当然変わってきます。
積み上げ型の方が、短期の数字で評価される職場にいると、実力のわりに評価されません。反対に、瞬発力型の方が、毎日同じ作業の続く職場にいると、力を持て余してしまいます。ご自分の出し方を知るだけで、職場選びの基準がはっきりします。
三つめ:人生の時期ごとの「役割」
みっつめは、時期です。算命学では、人の運気には流れがあると考えます。同じ人でも、力を蓄える時期と、外へ踏み出す時期とでは、向いている動き方が違います。
三十代で天職だと思っていた仕事が、五十代では窮屈に感じる。これは、気持ちが変わったのではなく、人生の役割が変わったのです。適職は、一生ひとつとは限りません。
適職が見つからない方に共通する、ふたつの思い込み
「ひとつに絞らなければ」という思い込み
天職という言葉には、人生をかけられるたったひとつの仕事、という響きがあります。そのため、「まだ見つかっていない自分はだめだ」と感じてしまう方が少なくありません。
けれど鑑定をしていると、複数の顔を持つことで力の出る方が、実はたくさんいらっしゃいます。本業を持ちながら教える、会社に勤めながら発信する。そうした組み合わせが、その方にとっての自然な形であることも多いのです。
「周りの期待に応えるのが仕事」という思い込み
もうひとつは、周囲の期待に応え続けることが仕事だと信じ込んでしまうことです。長女として、あるいは跡取りとして、期待に応えて選んだ道を、四十代、五十代になって見直される方がいらっしゃいます。
そういうとき私は、「それまでの選択を否定しなくていいですよ」とお伝えしています。期待に応えた経験があるからこそ、身についた力があります。そのうえで、これからは自分の気質に沿った使い方を選んでいけばいいのです。
今日からできる、適職を探す三つの問いかけ
鑑定を受けなくても、ご自分でできる整理の仕方があります。次の三つを、紙に書き出してみてください。
一、時間を忘れて没頭した仕事や作業は何だったか。二、人から「ありがとう」と言われて、素直にうれしかったのはどんな場面か。三、「やらされている」と感じて疲れたのは、どんな場面か。
書き出してみると、ご自分の力の向きや、成果の出し方の傾向が見えてきます。そのうえで宿命と照らし合わせると、「なぜそう感じていたのか」がはっきりと説明できるようになります。
よくあるご質問(FAQ)
Q. 今の仕事が向いていないと分かったら、すぐ辞めるべきですか?
A. いいえ、慌てて決める必要はありません。向いていないと分かることと、辞める時期は別の問題です。運気の流れを見ながら、動くのにふさわしい時期を選ぶほうが、結果的に納得のいく転機になります。まずは、今の仕事のどの部分が合わないのかを整理するところから始めましょう。
Q. 年齢が高くても、適職を見直せますか?
A. 見直せます。むしろ、経験を重ねた今だからこそ、ご自分の気質に沿った使い方が分かることが多いのです。五十代、六十代から新しい形で働き始められた方も、たくさんいらっしゃいます。
Q. 好きなことが何もないのですが、それでも見つかりますか?
A. 見つかります。好きなことが分からなくても、宿命からは、力の向きや成果の出し方が読み取れます。「好き」を探すのが難しい方ほど、気質から逆算するほうが、近道になることがあります。
まとめ
適職は、才能のある人だけが見つけるものではありません。ご自分の気質の向きと、成果の出し方、そして今の時期を知ることで、誰でも「ここなら無理なく力が出る」という場所に近づいていけます。
日曜の夜に胸が重くなるのは、あなたが弱いからではありません。今の働き方と、あなたの気質との間に、少しずれがあるというサインです。そのずれを責めるのではなく、静かに確かめるところから始めてみてください。
ご自分の宿命から、これからの働き方を一緒に考えてみたい方は、個人鑑定でお待ちしています。
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